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国産輸出増の隙を突き・・・ スーパー席巻 本末転倒? NZリンゴ

   

りんご

輸出すればするほど輸入物が増える――?。国産リンゴの輸出が好調な半面、こんな懸念が流通業界を中心に広がっている。この時期は国産リンゴの出回りが少ない上、輸出増で国内需給が逼迫(ひっぱく)、相場が高騰して安価な輸入物に関心を示す小売店が増えているためだ。既にスーパー店頭にはニュージーランド(NZ)産リンゴが並び、輸入業者は一層の需要増を見込む。産地からは「政府が輸出に力を入れ過ぎて国内が手薄になれば本末転倒だ」との声も上がっている。 (日本農業新聞)

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37768


 

リンゴの輸出も拡大する中、逆に輸入リンゴも増えているという話題

最近リンゴが高いなと思う方も多いと思うがこの時期の国産のリンゴはすべて冷蔵貯蔵ものでる
様々な貯蔵技術が進歩したために一年中国産のリンゴが店頭に並ぶようになったが本来日本では10月ごろから1月ごろまでがリンゴの収穫期である
店頭でリンゴを望む消費者がいる以上どの店もリンゴを仕入れているが味も旬のものより落ちるし、値段も冬場と比べるとずいぶん高くなってしまう
それに対して南半球であるニュージーランドでは今頃がちょうど収穫シーズンであるためにこのような現象が起こっている

NZ産のリンゴは国内の品種とは違うジャズというものだが日本でいうと紅玉に近い感じらしい
小玉だが固めの食感と甘みも酸味もあるという種類であり、暑くなってくるこの時期には逆に消費者にも好意的に受け止められる味のようである

しかし貯蔵にかかる経費、貯蔵中の腐敗による商品ロスなどにより国内産が旬の時期より2倍近い値段になってしまうこれからの時期にまで貯蔵リンゴを食べる必要はあるのだろうか?加温により旬をずらしているいちごやぶどう、ハウスみかんなどとは違い貯蔵したリンゴはどうしても味は落ちるし外観ではわからない内部の腐敗などにより決して消費者にとってもメリットの多い食品とは言えない

もちろんどの時期にも食べられるという選択肢を用意しておくのは大事なことだがそれにより国産のリンゴを買った人が、1個200円もして高いわりにあまりおいしくないとなどというイメージを持ってしまえばそちらの方が本末転倒ではないだろうか
こういった内情を生産者や販売者がしっかりと情報を発信しておくことが結果的に商品に対する信頼を築いていくことになるのは間違いない
いつか完璧な貯蔵方法が開発されるかもしれないが、その時までに貯蔵リンゴが消費者からの信頼を失っていればそれを取り戻すのは容易なことではないのである

余談だが日本では蜜入りのリンゴをより高級なものとして扱ったり販売のキーワードにしている場合が多いが、あの蜜といわれる部分は果糖に変換される前のソルビトールという物質である
完熟しているという指標にはなるため、蜜入りりんごが甘いというのも間違いではないがあの蜜部分だけ食べてもあまり甘くないようである

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