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2015年度 鳥獣被害176億円 過去最低も依然高水準

   

農水省は14日、2015年度の全国の野生鳥獣による農作物被害について、被害金額は前年度より8%少ない176億円だったと発表した。1999年度の調査開始以来最低の水準。国の補助金を活用した電気柵の設置など、産地で被害防止対策が進んできたためとみられる。だが、依然高水準にあることに変わりはなく、今後も対策への支援が欠かせない(日本農業新聞 yahooニュース)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170315-00010001-agrinews-pol


 

2015年の農作物に対する被害額が176億円となり、過去最低水準だったという話題
年々被害が増えているとされている鳥獣被害であるが、実際の被害額は調査を開始してから約20年の中でも最低水準と聞くと意外な印象を受ける

農水省の資料によると被害額推移と内訳は以下の通りとなる

鳥獣による農業被害額推移資料

農水省資料より

 

また、別添の資料も考慮すると、サル、イノシシ、シカなどの害は減少がみられ、その一方で額は少ないもののアライグマ、タヌキ、ウサギなどの小動物の被害は増加傾向にあるようだ

全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成27年度):農水省より

被害が多発する周辺農地の耕作放棄が進んだことを指摘する声もあるが、国の鳥獣被害防止総合対策交付金による対策が効果を発揮してきているといえるだろう
ただしこの効果は設置された柵などの設備や緩衝帯などがきちんと維持管理されなければ効果を失ってしまうものであることを忘れてはならない
地域住民や被害農家自身がしっかりと鳥獣被害に対する知識を持つことがこの効果を維持するために最も必要なことである

鳥獣被害防止総合対策交付金は平成22年以前は30億円程度の額だったが23年以降は毎年100億円を超える額が投入されている
今後もこの額が続くとは思えないし、またその事業内容にはリソースを無駄遣いするだけと思われる項目もいくつかあるようだ
今後はより現場に詳しい者の意見を取り入れ、さらに効率的な鳥獣被害防止対策が考案されることを期待していきたい

参考資料:鳥獣被害の現状と対策(農水省)



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 - 農政