中国産ウナギに基準超す農薬、輸入容疑で追送検
2017/07/22
中国産ウナギを国産と偽って販売したとされる産地偽装事件で、愛知県警は11日、基準値を超える農薬が残留したウナギを輸入したとして、輸入販売会社「インテグレート」(名古屋市中区)と同社社長の村井三雄容疑者(47)(同市名東区)を食品衛生法違反容疑で名古屋地検に追送検した。(yahooニュース 読売オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170712-00050026-yom-soci
中国産ウナギから基準値を超える農薬が検出されたという話題
タイトルに追送検とあるのだが、この事件はすでに6月末に摘発された事件と前後している
今回の事件は、まず先に輸入食品検査で基準値を超える農薬が検出されたことが発端である(昨年12月)
これを保健所が輸入業者の愛知県警に告発、そのことにより会社や経営していた割烹店に捜査が入り、店舗で国産ウナギと偽って客に提供していた事が発覚した
そしてまずは不正競争防止法違反(虚偽表示)で摘発され、その後今回の記事の農薬の基準値違反により食品衛生法違反で追送検されたという流れである
ウナギは輸入食品検査の命令検査対象の品目(マラカイトグリーンなど)であるためこちらで違反行為をするつもりはなかったであろう
逆に言えば容疑者にとっての想定外である農薬の基準値違反がなければ産地偽装はまだバレていなかったかもしれない
今回検出された農薬は「ペンディメタリン」という除草剤であり、日本では「ゴーゴーサン乳剤」や「カイタック乳剤」などとして販売されている
土壌処理型の除草剤で、通常は土壌上部に吸着され、そこから処理層を形成し雑草に長期間安定した効果を発揮するという
これがウナギから検出されたということは、流域にこれらの除草剤を使用した農園があり、想定外の大雨などで河川に流出したという状態が考えられるだろう
土壌処理型の農薬は多数存在するがこのように使用法には若干注意が必要である
日本でも鉄道線路沿いにアーセナルという強力な除草剤を使用し、降雨などでそれが流出して大規模補償問題になった事例がある
なお輸入ウナギを国内で飼育し国産ウナギに変える行為(いわゆる国籍ロンダリング)だが、規定では飼育期間の長いほうが産地とみなされる
通常ウナギの養殖期間は1年から1年半であるため正当な業者であれば最低半年は日本で飼育しているということになるだろう
よく言われるように数日間日本の水槽に入れただけでは国産は名乗れない…はずであるがどの程度守られているかは定かではない
(7/21追記)
食品衛生法違反の件は不起訴になったようだ
超過はわずかではあるし、再検査するサンプルも残っていなかったか、再検査で超過するデータが出なかったからであろうか
なお不正競争防止法違反では50万円の罰金ということである