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蚊の駆除、廃タイヤで産卵器を製作 従来型の7倍の効果

   

tire廃タイヤで安価な蚊の産卵器を作る方法を開発したとの研究結果が7日、発表された。ジカウイルスを媒介する蚊の卵を大量に処分することが可能だという。

「オビジャンタ(ovillanta)」と呼ばれるこの産卵器は、切ったタイヤとネッタイシマカ(学名:Aedes aegypti)をおびき寄せる溶液で構成される。ネッタイシマカはチクングニア熱、デング熱、ジカ熱などを媒介する。
このタイヤ産卵器に入れた木片や紙片に雌の蚊が卵を産み付ける。週に1度木片や紙片を取り出して産み付けられた卵を焼却したりエタノールを使ったりして処分する。

研究チームは論文で「7か所で84のオビジャンタを使用し、1か月当たり1万8100個超のネッタイシマカの卵を収集・処分した」と述べた。これは「同じ地区で(1リットルのバケツで作られる)標準的なわな84台を使用して収集できる卵の数は1か月当たり約2700個なので、その7倍近い数」だった。

また、オビジャンタは他の方法に比べてはるかに安価で、成虫の蚊を殺虫剤で駆除する費用の2割程度のコストしかかからないと、研究チームは指摘している。(AFP ヤフーニュース)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160408-00000011-jij_afp-int


 

廃タイヤで蚊の産卵器を作り、そこに卵を産ませて蚊の駆除をする装置が従来のものより効果がありそうだという話題

今話題となっているジカ熱をはじめ様々なウイルスを媒介する蚊の対策は、熱帯の国々において日本では考えられないぐらい重要である
現在でも世界で最も人間を殺害している動物ランキング1位は断トツで蚊であり3位の蛇(2位は人間…)の10倍以上という話を聞けばより実感がわく

なぜタイヤとバケツで7倍も差が出たのかは研究していくと面白い結果になるかもしれないが、この対策は非常に丁寧に長期間継続して行わないと単に産卵場所を多数確保しただけとなってしまう可能性があるし、そもそもその他の産卵できる場所をまず排除してからでないと直接的な効果はあまり期待できないと思われるが現実の市街地では非常に困難な作業となるだろう

これで思い出されるのはプロジェクトXにも取り上げられた沖縄でのウリミバエの撲滅における不妊虫放飼法である
コバルト60によるガンマ線放射により不妊となったハエを放ち子孫を減らしていくという非常に地道な方法であるが、20年にわたる戦いの末1993年に根絶宣言が出されている
日本の農業を守ったこの作戦を成功させた関係者には頭の下がる思いである

 

 

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