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通常の2倍の速さで成長するサケ販売 米企業、遺伝子組み換え 動物は世界初 

   

通常の2倍の速度で成長するサケが世界で初めて一般販売された

通常の2倍の速度で成長するサケが世界で初めて一般販売された(natureより)

米バイオベンチャー「アクアバウンティ・テクノロジーズ」(マサチューセッツ州)は4日、遺伝子組み換え技術で開発した通常の2倍の速さで成長するサケを、1~6月にカナダで販売したと発表した。

英科学誌ネイチャーのニュースによると、農作物ではなく動物の遺伝子組み換え商品が一般市場で販売されたのは世界初という。(産経新聞)

http://www.sankei.com/world/news/170805/wor1708050012-n1.html


 

通常の速さの2倍で成長する遺伝子組み換えサケが販売されたという話題
遺伝子組み換え作物は市場に出てかなりの期間になるが、動物での遺伝子組み換え商品が一般市場に出たのは世界初のことらしい

組み換えの内容的には成長の早いキングサーモンの生長ホルモン遺伝子をアトランティックサーモン(大西洋サケ)に組み込むことにより通常より早く成長するということである
通常のサケにも含まれる成長ホルモンを生産させる組み換えということで、除草剤耐性作物を連年生産することによる除草剤汚染や、殺虫成分を生産する遺伝子を組み込んだ作物を飼料に使用した時の問題などのようなこれまでのGM作物で言われているリスクは起こりにくいと思われる

開発は米バイオベンチャーであるが、カナダ政府は昨年5月、この遺伝子組み換えサケは従来のサケと同等であるとして食品として承認していたため、カナダでの販売が世界初の事例となったようだ
またカナダでは先ごろ、遺伝子組み換え食品表示法案が否決されていて遺伝子組み換えに関して表示義務がないことも関係している

しかしカナダでは当初この遺伝子組み換えサケの養殖施設は認可されておらず、今回販売されたものはパナマの施設で養殖されたものと思われる
今年6月にはカナダの州のひとつであるプリンスエドワード島での養殖許可を得ており、米国でもインディアナ州などで許可を申請しているところらしい

地元住民や環境団体からは反対の声が上がってきており、通常より成長の早いサケが場外に流出した場合在来種のサケや競合する魚を絶滅に追いやってしまう可能性があるとしている


 

 

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