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(8/31追記あり)TPP対策 収入保険9割補填へ まとめ11月にも 政府・与党

      2016/08/31

収入保障のモデル

収入保険のイメージ(日本農業新聞より)

環太平洋連携協定(TPP)中長期対策の収入保険制度について、政府・与党は9月にも制度設計の議論を本格化させる。収入の減少分を補填(ほてん)する仕組みで、11月の取りまとめを目指す。農水省は基準収入の9割を限度に補填する案を軸に、対象は青色申告者に限る方針。一部の担い手に限られ、幅広い農業者へのセーフティーネット(安全網)を求める与党内の声とはずれがある。議論は難航する恐れもある(日本農業新聞)

https://www.agrinews.co.jp/p38474.html


 

平成30年にスタート予定の収入保険制度の話題

当サイト管理人も農水省のヒアリングに招かれ意見を交わした政策である
この記事ではTPP対策の柱のように見出しをかかれているが、当時の農水省担当者の答弁ではTPPに対する保障ではないとはっきり言っていたような記憶が…
あれからどのように制度の骨子が変わったのかはわからないが制度の内容的に長期的な売価の下落には対応できない仕組みなために、TPP中長期対策という記事の論調のほうが間違っているような気がしないでもない

簡単に言うと、現在様々な共済制度があるが、それらを一本化し幅広く効率的に運用しようという目的の新制度である
事務の煩雑さを簡略化するために対象は青色申告者のみ、過去5年間の税務申告の書類から正式な売り上げ額(利益ではない)を把握し、その平均よりも一定以上収入の減少があった場合9割まで保障するという制度である

意見交換の際には現在の共済制度では共済組織の維持に政府が多大な出費を強いられていることも問題の1つとして挙げられていたが、実際共済金として政府が出す金額より共済組織の維持費のほうが大きくなっている
今回青色申告者に限った制度としたことはこのあたりの是正のためにも必要なことと考えているようだ

政府出動もあり、おそらく農家としても許容できる共済金に収まる制度となるという担当者の弁である
現在一般的な安全網のない青果物農家や、多様な作目を経営する事業体になどは今から情報を集めておくとよいだろう

農業者全体の2割程度である青色申告者を対象とすることに批判が上がることもあるようだが、ここはこの制度の肝であるためおそらく変更されることはない
新規就農者や零細農家はまた別の仕組みで突発的な収入減少を補う制度を作っていくべきだろうし、逆に農業者としても規模の差はあれども経理をきちんと把握する事がまず経営の軸であるということを実践すべきである

(追記)資料をみると元々は平成26年頃より従来の共済制度に代わる制度として策定が進められて来た経緯があるようだ
よって、様々な(大人の)事情でTPP大綱に組み込まれたとはいえ本質は広く農業者を保護するための政策だといえるだろう

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