徳島大「インスリン抵抗性」を解明 糖尿病根治薬へ新たな道
肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になると、全身にさまざまな合併症を引き起こす2型糖尿病を発症しやすくなる。内臓脂肪がたまると、血糖値を下げるインスリンの働きが弱まる「インスリン抵抗性」の症状に陥ることが大きな原因だが、徳島大の研究グループが世界で初めてそのメカニズムを解明した。日本発の糖尿病根治治療薬が作れる可能性が出てきた。(産経ニュース)
http://www.sankei.com/life/news/160510/lif1605100012-n1.html
糖尿病の原因となるインスリン抵抗性の症状が起こるメカニズムが解明されたという話題
徳島大学によると3月26日には報道発表されていたらしいが日本国内で今まで話題になっていなかったのは不思議である
世界中で4億人ともいわれるほど糖尿病患者が増える中、海外では大きなニュースとして取り扱われていたらしい
これまでの研究で脂肪細胞が肥大すると慢性炎症を起こし、その影響で膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンの働きが低下することは知られていた。
今回の研究で明らかになったことを要約すると、肥満により変性した脂肪細胞から遊離したDNA断片を本来は細菌由来のDNA断片を認識するはずの免疫システムの受容体が誤感知してしまい、炎症性サイトカインなどを放出し、脂肪組織が慢性的に炎症を起こすことによりインスリン抵抗性が発現するということである
個人的には引用した産経の記事では一般に説明するためか逆に伝わりにくい内容になっているので興味のある方は徳島大学の報道発表の資料の方にも目を通していただきたい
糖尿病には大きく分けて1型と2型が存在するが、生活習慣が悪くて糖尿病になりましたというのはほぼ2型であり、その原因は遺伝要因と環境要因が組み合わさったときにおこるといわれていたが今回の研究が正しいとすると脂肪細胞の肥大を避けること、つまり過度の肥満を避けることが糖尿病のリスクを下げることになるのは間違いないようだ
余談だが画像に挙げたブルーサークルは世界糖尿病デー(11月14日)のシンボルマークである
11月に各地の病院や有名建築物が青くライトアップされているのを見かけたことがある方もいるかもしれないが趣旨を知らないとなんとも異様な光景なので、この秋まで覚えておくと良いかもしれない