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農林水産物で輸出額トップはホタテだった!米中での人気に支えられ6年連続増

      2016/05/13

ホタテ

意外にも農林海産物1位のホタテ

 

ホタテの海外向け輸出が急増、一般にはあまり知られていないが、稼ぎ頭として存在感を増している。農林水産省のまとめによると、6年連続で増加。昨年一年間の輸出額は591億円で日本の農林水産物としてはトップに君臨し、5年前に比べ約5・2倍になった。ただ、この「右肩上がり」、いつまでもは続かなさそうだ。(yahooニュース)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160507-00000522-san-bus_all


 

農林水産物の中で輸出額一位はホタテであり、この5年で5倍になっているという話題

昨年の日本の農林水産物の輸出額の合計は7451億円。ホタテは591億円で約8%も占めている。最近海外で人気の日本酒がよく輸出商品として話題になるが、アルコール飲料はこのうち390億円で約200億円も開きがあるのは驚きである

ちなみに農産物としては播種用の種子、りんご、牛肉、お茶などが多く輸出されているようだ。海産物では前述のホタテのほかに真珠なども金額ベースでは多く取引されている
面白いものとしてはアラブ首長国連邦などの中東でオロナミンCやポカリスエットなどの清涼飲料水が人気なことにより200億近く輸出額があるということだろうか
逆に言うとアルコール飲料やソース調味料、清涼飲料水、菓子などが農産物輸出統計に組み込まれており一般人の考える農産物の輸出額というものとは少しかけ離れた統計になっているとも感じられる
興味のある方はこちらの農林水産省農林水産物輸出入概況のページを参照していただきたい

ホタテは比較的低い海水温でないと養殖できないのだが、アメリカや中国での養殖場は日本より水温が高い場所にあるため日本のホタテとは違う種類の貝(アメリカホタテガイ)が養殖されている場合が多く、食味でも十分な競争力があるということである

ホタテの輸出先では中国が4割、次いで米国で2割。日本から中国向けのホタテの大部分は殻付きの冷凍で、加工用原料として輸出され人件費が安い中国で殻をむいて加工後、ホタテの大消費国である米国に輸出されているとのこと

ただし米国の需要が急に増えたのは2013年ごろから資源保護のためにホタテの漁獲規制が行われ、米国内での供給量が激減したためであるらしいが、現在は供給量も回復しつつあるということで関係者はこの成長もいつまでもは続かないだろうと見ているようだ
どの産業も有為転変である。そもそも漁獲制限という突発的な要素で始まった特需のようなものであるが、現状に落ち着いてしまうことなく余力のあるうちに次の展開を考えていくことが大切なのだろう

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