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フランス、今年もオオカミ40頭の駆除認める 家畜被害年8000匹

   

ヨーロッパオオカミ

ヨーロッパオオカミ

【AFP=時事】フランス政府は20日、家畜の羊などがオオカミに襲われる被害が続く山岳地帯で、今年度も40頭を上限にオオカミの駆除を認めた。国内で一度絶滅していたオオカミだが、1990年代に国外から流入して復活。過去1年で8000匹以上の家畜を殺したとみられている。

殺された家畜の大半は羊で、被害は南東部に集中している。農家は電流が流れるフェンスを設置したり、犬を放ったりする対策では効果がないとして、オオカミの駆除数を増やすよう強く求めていた。しかし、政府が2017年7月1日から2018年6月30日までの期間に駆除を認めたのは最大40頭と、2016~17年度と同じだった。この数は国内のオオカミの生息数の10%ほど。

フランスでオオカミは1930年代に絶滅したが、1990年代になってイタリア側から国境を越えて戻ってきた。現在、国内101県のうち30県で生息が確認されている。【翻訳編集】 AFPBB News(yahooニュース)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170721-00000023-jij_afp-int


 

フランスで家畜被害の対策のためにオオカミの駆除が認められたという話題
昨年と同様に40頭ということだが、これはフランス国内の生息数の10%とのことである

ということはわずか400頭のオオカミで8000匹の家畜(その大半は羊)をも殺しているのだろうか?
この数には少し事情があるようだ
オオカミによる被害と、野犬やその他の動物による被害では補償率に差があるらしく、そのため無理にでもオオカミの被害ということにする場合があるためにこのような数字になっている可能性が指摘されている
さらに被害を増やしているのは放牧が主体のヨーロッパの畜産構造であり、これもまた日本と事情は異なっている

日本のように農耕が主体の文化の地方ではシカなどの害獣を狩るとして畏怖と敬意の対象だったとされているが、古くから牧畜が盛んであったヨーロッパなどでは家畜の被害が多く、古くから死や恐怖の対象となっているようだ

オオカミの話題になったとき必ずイエローストーンでのオオカミ再導入の事例が話題に上るが、このように駆除の対象となっている例もある
今回は特に隣接するイタリア側から国境を越えての侵入ということであり根本的な対策は難しそうである


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