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もやし業界 窮状を訴え 度を超す特売 早急に歯止め

   

安売りの目玉として利用されることの多いもやしだが…

安売りの目玉として利用されることの多いもやしだが…

全国のもやし生産者でつくる工業組合もやし生産者協会は、販売価格低迷に加え原料種子価格と人件費が上昇し「経費削減の努力が限界を超え、健全な経営ができない」との声明を発表した。納品価格より安く特売するスーパーもあり「消費者に窮状を知ってもらい、スーパーは適正価格で売ってほしい」と訴える(yahooニュース 日本農業新聞)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170317-00010000-agrinews-bus_all


 

スーパーなどで特売の目玉として利用されるもやしだが、もやし生産業界的には窮状だという話題
総務省家計調査によると、もやしの販売価格は100グラムあたり役15円であり、一般的に売られている一袋(200グラム)に換算すると約30円となる

生産自体は工業化されて、原料種子を発芽させるところからパッケージングまでほぼオートメーション化されているようだが、人件費や原料種子のコスト上昇により製造原価自体は上昇しているらしい

しかし小売り価格はこの10年で1割ほど下落している(もやし生産協会:もやし生産者の窮状にご理解を
その間の原料種子の価格はおよそ3倍に上昇しているにもかかわらずである
これは小売りスーパーなどが集客の目玉としてもやし1袋10円、極端なところでは一袋1円といった値段で集客のために仕入れ価格割れで販売しているからである
仕入れが10円程度とみられるもやしを1円で販売してお客が殺到してくれるのであればわずか9円の投資には十分すぎるほどの集客効果が見込めるであろう
しかも冷蔵庫でも数日しか持たないため大量に買い置きされるようなこともなく特売日の度に集客も見込めるという利点もある
ちなみにラーメン店でもトッピングで注文されて一番儲かるのはもやしということらしい

しかしこのことはもやし業界にとってはもやしそのものの価値を下げることに他ならない
せめて40円で販売してほしいというのが業界の言い分であるが、10~20円程度で販売を続ける店がある限り40円のもやしは割高に感じるであろう
原価割れで小売りが販売したところで、生産者側の納入価格に変化はないのであれば問題ないのではないかという声もあるが、機械化や大規模化によるコストダウンも限界にきているのだろう
原料の緑豆も今後さらに高騰が続くことが予想されるためコスト上昇を仕入れ価格に転嫁したいところだが現状ではそれも苦しいはずだ

通常小売りでは独占禁止法の中に不当廉売の禁止の項目があり、原価を下回る販売を長期に続けることはできないはずなのでこの問題が大きな注目を集めることになればこの辺りにも公取のメスが入るかもしれない
余談だが通常価格を高く設定して、実際には割引価格と表示して顧客をだます二重価格表示(通称:楽天表示)は景品表示法の範疇であるようだ

さらに追記すると、もやしの栄養素が多いと記すサイトが見受けられるが実際はきゅうりと同様ほとんどが水分であり、栄養素はトップクラスに少ない野菜である
さらに通常使われる緑豆もやしはもやし類の中でも最も栄養素が少ない
(大豆もやし>ブラックマッペもやし>緑豆もやし)
また加熱調理されるものなのでビタミンなどもかなり減少してしまう
ダイエット業界などでは食事の増量のため重宝されるようだが、もやしだけでなく様々な野菜をとることが注記されているようだ


 

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