豆腐の常温販売解禁へ 食品安全委、保存技術の開発で
内閣府の食品安全委員会は18日、豆腐の常温販売を認めるかどうかを判断するための健康影響評価の議論を始めた。食品衛生法に基づく規格基準は細菌の発生や増殖を避ける目的で豆腐の冷蔵保存を義務付けている。厚生労働省は、常温でも安全に保存する技術が開発されたとして基準の改正を目指しており、委員会の評価結果を受けて常温販売を認める方針(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15471370Y7A410C1000000/
先日豆腐の安売り規制の話題に触れたばかりだが、豆腐の常温販売が来年にも解禁される見通しという話題
一連の流れがすでに出来上がっているのではないかと勘繰りたくなるような展開である
現在では豆腐は法律で冷蔵販売が義務付けられているが、これは1974年に制定されたものである(移動販売などは除く)
当時は保存状態の悪い豆腐が多く出回っており、また、販売業者の衛生管理もずさんだったため食中毒などが多発したことによる
しかし現代ではこのころとは違い製法により無菌状態を保てるような商品が開発されており、法律の縛りのない海外などではすでに常温販売されている物もあることから、今回食品安全委員会で常温販売の提案が了承されたということである
輸出などの他に食品ロスの減少や災害時などでの保存食料としても期待されているようだ
さて、無菌状態を保てる豆腐とはどのようなものなのだろうか
これには充填豆腐という製法で、豆乳と凝固剤を混ぜて容器に充填した後容器ごと加熱凝固させる製法で作った豆腐である
密閉状態で加熱されているためその後の滅菌状態が常温でも維持できるというわけである
レトルト食品をイメージするとわかりやすいかもしれない
しかしあちらと違って現在は法律の関係上すべての豆腐が(必要ないとしても)要冷蔵と表記され冷蔵販売されている
ただし全ての充填豆腐が長期保存可能かといえばそうではなく、熱に強い菌類も殺菌できる120℃で4分以上の加熱が指針として示されているようだ
従来の豆腐製法では行われないこの加熱により風味が損なわれていると感じられることもあるようなので今までの製法の豆腐がかえって見直されることになるかもしれない
充填豆腐が批判される原因はこのほかに凝固剤として旧来のにがりではなくグルコノデルタラクトン(GDL)を利用していることがあるだろう
にがり(塩化マグネシウム)や澄まし粉(硫酸マグネシウム)に比べて凝固させる作用が強いために、往々にしてコスト削減目的で濃度の薄い豆乳からでも豆腐が作れることが問題となる事も多い
ただし前述のようなメリットもあるため一概に否定するのではなく消費者がそれらの違いを理解し、適切な豆腐を自分で選択できるようになることが求められてくるのではないだろうか
そういったことに力を注ぐことこそ「豆腐文化を守る議員連合」の仕事であるだろう
噂の森永の無菌充填豆腐
常温で10か月保存可能なはずであるがパッケージにはしっかり「要冷蔵」の記載がある