農トピ

農業や科学に関する話題やニュースを紹介

「減反廃止」は実際には減反強化?

   

稲

15年産の米価が回復したわけは?

コメの「減反政策」が廃止されるとして大きく報道されてから3年近くが経過した。しかし、減反廃止ならば、本来は低下するはずなのに昨年度の新米の価格は前年度より高くなった。エサ米の生産にシフトし、食用米の需給が引き締まった結果という。「減反廃止」となる2018年度からはこの傾向にさらに拍車がかかりそうだ。その一方で、エサ米の生産急拡大は、飼料用穀物の輸入減少につながる。「減反廃止」は新たな貿易摩擦の火ダネとなるかもしれない。 (ニュース情報元:毎日新聞フォーラム)

http://mainichi.jp/articles/20160707/org/00m/010/042000c


 

米の減反廃止を目指すことが明記されたが、実際は米価は下がらず食用米の供給が伸びていないという話題

長い記事なので要約すると減反政策が2018年に廃止が決定している、しかしそれに先駆けて食用米の生産を減らすような政策が打ち出されており、その結果食用米の作付が減少して昨年度の新米の価格は前年度より高くなっているということである(注:ただし前年の14年産は米価が暴落した年なのでそれでも低い数字ではある)

そしてその政策というのは家畜の餌とする飼料稲、飼料米を作付したときに食用米を生産したのと同じ程度まで保証される水田活用直接支払金というものである
これは飼料用の米などを作れば最大で10a当たり10万5千円が支払われ、さらに構築連携助成金なども組み合わせることができる制度のため地域によっては食用米を作るよりはるかに利益が上がる可能性のある政策である

この記事ではこの政策を零細農家を温存し、また主食用の米価を押し上げる原因にもなっていると批判している
また、別の記事では家畜の餌になるものを国費を使って食用と同価格で買い取り、畜産農家にただ同然で安く卸す制度だとの批判もある

また現在これを利用して利益を上げている農家自身も、政府が路線を変更しはしごを外すことになれば一気に経営が立ち行かなくなるのではないかという懸念を抱いている
飼料米拭えぬ不安 将来見据えた政策を 栃木県小山市(日本農業新聞)
現在の食用米の価格で今後も飼料用作物に補助金が支払われるとすればこの記事のように大規模農家から率先して飼料米を作り出すことが考えられる
当然作付も増えることになり、現在の700億円を大きく超えてその数倍の予算が必要となるだろう
自民党は参院選の公約で、飼料用米など水田フル活用の予算を「恒久的に確保する」と掲げたそうだが仮にそれが10倍に膨れがっても対応できるとは考えにくい
現に財務省などは名指しでこの政策を「自立的な経営判断を促すような支援の在り方を検討すべき」と批判しているのである
本当に農業者の立場に立った政策というのはどのようなものなのかもう一度考えるときが来ているといえるだろう

 - 農政, 農業環境