農トピ

農業や科学に関する話題やニュースを紹介

農業就業人口 200万人割る

      2016/09/27

大分県で話題のドリームファーマーズさん

大分県で話題のドリームファーマーズさん 今後さらにぶどう園を10ha拡大する予定とのこと

2016年の農業就業人口(2月1日現在)が192万2200人となり、200万人を初めて割り込んだことが農水省の調査で分かった。高齢者の離農が加速し、若者の就業人口も大きく減った。1990年からは6割もの減少となる。環太平洋連携協定(TPP)で生産基盤がさらに弱体化する恐れもあり、経営安定対策など安心して営農できる環境整備が一層重要になっている(日本農業新聞)

https://www.agrinews.co.jp/p38142.html


 

日本の農業就業人口が初めて200万人を割り込んだという話題
1990年にはおよそ500万人いた農業者人口が2016年の調査では192万人となり26年間で4割にまで減少している
特にここ10年では減少率が激しいようだ
さらにその内訳は65歳以上が6割を占めるという超高齢化産業となっている
地域によっては65才は若手扱いなどという笑い話もあるようだ

さて、これをもって農業の衰退を論ずる関連記事も多いが果たして一概にそうといえるのだろうか?
農業総産出額に注目してみると1990年では11.5兆円、2000年では9.1兆円、2016年では8.5兆円である
そしてこの中の減少は米価の下落が大きな割合を占めている
生産者の数が4割にまで減少したのに対し、7割強の生産額を維持しているということは1生産者あたりの生産額が2倍に向上したという言い方もできる
ちなみに物価の変化が生産額に影響してるんじゃないの?と思う方もいるかもしれないが、消費者物価指数は1990年ごろとぼぼ変わっていない
いわゆる失われた20年でのデフレ、アベノミクスでのインフレ誘導がちょうど釣り合って数値的には1991年比で1.023とあまり変わらない数字となっている

実際のところは高齢化により廃業した農家も多いが、、小規模農家の農業者が集落営農組織に参加したり、より大規模に農業を行う農業法人組織が増加しているということも大きいようだ(参考:法人経営体10%増加-28年農業構造動態調査
だとすれば問題は単純に生産者数が減っているということよりも、今後大規模に農業を経営していこうという意欲のあるはずの若者世代の減少率が顕著だという部分だろう

団塊世代の最後のグループも70代に入るようになり、今後も就業農業人口自体が減少していくのは間違いない
だとすれば更なる各経営体の生産規模向上、また若者の就農支援により就農者の若返りを図ることが農業政策の課題となってくるのは間違いないだろう

 

 - 農政