首相「最善の結果」決議、試算巡り火ぶた TPP国会審議入り
2016/04/10
環太平洋連携協定(TPP)の承認案と、農業対策を含む関連法案が5日、衆院本会議で審議入りした。かつてない市場開放を約束する合意内容を「国益 にかなう最善の結果」と訴えた安倍晋三首相に対し、民進党など野党は「国会決議違反」と批判。早くも激しい攻防となった。政府・与党は今国会での承認・成 立を目 指すが、結論ありきでなく、検証と議論を尽くすことが不可欠だ。
本会議で首相は、農産物の重要品目の聖域確保を求めた衆参農林水産委員会の決議と合意内容との整合性について「国会決議の趣旨に沿うものと評価してもらえ る」と答弁。関税割り当て(低関税輸入枠)など例外措置の獲得や、国内対策を理由に「国益にかなう最善の結果」と説明した。いずれもこれまでの国会答弁な どと同内容だ。
首相は「日本の農産物(輸出)に新たな巨大市場をもたらす。成長戦略の切り札としていく」と、TPPの意義を強調した。自民党の吉川貴盛元農水副大臣らへの答弁。吉川氏は「現場から将来への不安や厳しい意見を受けている」と指摘した。
一方、民進党の山尾志桜里政調会長は「国会決議に違反し、国益は守られなかった」と批判。農林水産物の生産額が最大2100億円減るとした政 府試算も「過小評価」とただした。共産党の笠井亮氏も国会決議違反や政府試算の過小評価を指摘し、TPPからの撤退と法案の廃案を求めた。
TPPが発効すれば、日本は全農林水産物の82%で関税を最終的に撤廃する。関税が残る品目でも米やバター・脱脂粉乳は輸入枠を新設し、牛肉や豚肉などは関税を大幅に引き下げる。発効7年後には、米国など5カ国と関税の再協議を行う。
国会では承認案とともに、関連法案も審議する。農業対策では、肉用牛肥育経営安定特別対策(牛マルキン)や、養豚経営安定対策事業(豚マルキン)の法制化などを盛り込んだ。
TPPの国会審議は、衆院のTPP特別委員会に舞台を移し、7日から本格的な審議が始まる。会期末は6月1日で、政府・与党は4月下旬にも衆 院を通過させたい考え。野党側は甘利明・前TPP担当相の国会招致も要求するなど、参院選を見据えて対立が激化している。(日本農業新聞)
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=36870
TPPの承認案と、農業対策を含む関連法案が5日、衆院本会議で審議入りしたという話題
TPPに関しては甘利元担当大臣の辞任やアメリカ大統領選の行方などでまだまだ二転三転しそうな気配
ついでにこの文章で追及していた山尾政調会長もガソリン代の不正請求で辞任確定路線でもうグダグダな様相である
TPPは農業分野だけではなく様々な分野に関係してくる重要法案なだけに政局や選挙のための国会審議にならないように各議員は力を尽くしてほしい