TPP承認案と関連法案が衆院特別委で可決
衆院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会は4日、TPP承認案と関連法案を自民党、公明党、日本維新の会による賛成多数で可決した。
8日の衆院本会議で可決され、参院に送付される見通し。(産経新聞)TPPの承認案が怒号が飛び交う中、衆議院の委員会で採決された。
山本農水相の辞任を求める民進、共産両党が激しく抗議する中、TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案は採決され、与党などの賛成多数で可決された。野党側は「この強行採決は前代未聞の暴挙だ」などと抗議したが、与党側は「野党の日本維新の会が賛成しており強行ではない」と反論している。
週明けに本会議で採決し衆議院を通過させる方針だが、民進党は山本農水相の不信任決議案の提出を検討するなど徹底抗戦の構え。(NNNニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161104-00000538-san-pol&pos=5
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20161104-00000085-nnn-pol(映像ニュース)
ついにTPP承認案と関連法案が可決したという話題
以前より本会議のリミットは8日という話は出ていたので予定通りということになる
これは衆院で可決されていれば会期内の30日後に自然成立するという決まりから逆算されている
会期末は今月末なので10日間の会期延長ということになるだろう
さて、TPPがいかなるものかはほかの解説サイトに譲るとして、今回は強行採決とは何かという話題に触れておきたい
今回与党は「維新が採決に参加しているから強行採決ではない」という発言をしているし、そもそも与党で過半数を持っているのだからすべて強行採決といえるのでは?というコメントもあるようだがこれらは間違っており、実際には今回のTPP承認案は強行採決である
では強行採決とはなにかということになる
議事運営は委員長(山本大臣の失言問題で登場した佐藤勉議員)の職権であるが、通常は法案の審議を終了し採決する日時は委員会の理事会や理事懇談会で与野党が合意して決定している
つまり通常の場合では多数決をとることに与野党ともに合意した状態で採決が行われているのである(与党が過半数持っているので結果は見えているとしても採決自体は合意している)
今回のTPP承認案や昨年の安保法案などはまだ審議が尽くされていないと採決することに野党が合意しないままに委員長権限で多数決がとられたということで強行採決だったということになる
与党の議席が多い状態だからと言ってすべてが強行採決であるわけではないし、賛成的な野党が参加しているから強行ではないということにはならない
ただ現在のように与野党の反対色の強い国会ではこれを認めないとすれば多くの法案が成立不可能となってしまうだろう
これらは国会の仕組みとして決められた行為の中で行われているに過ぎない
(ちなみに民主党時代には審議時間がわずか数時間で採決などという真の意味での強行採決も行われたことがある)
黒塗り問題や大臣の失言問題のみを取り上げる野党の姿勢によりこれ以上審議時間を重ねても無駄だという失望の声も大きいようだ
過半数を持つ与党が推し進める法案なら可決して当然という見方もあるが、審議の中で重ねられる答弁から法案の具体的な運用が決定していくものであるし、法案の不備を指摘して自分たちの意見を付帯決議として付け加えることもできるだろう
本当に国民が知りたかったのはTPPにより何が変わり、今後日本の将来がどうなるかの具体的な姿だったはずである
野党がその疑問を明らかにしたうえで国民の意を得た反対意見を述べ、その結果与党が採決を強行するならば情勢ももう少し違った形になっていたのではないだろうか