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農地集約促す「アメとムチ税制」 攻めの農業を後押し

   

kanrikikou安倍政権が成長戦略に掲げる「攻めの農業」を後押しする新たな税制が4月に始まった。農地集約に協力すれば「減税」、協力しなければ「増税」となる異例の税制だ。

農地集積を後押しする新たな税制がこの4月から始まった。耕作していない農地を、都道府県ごとにある「農地中間管理機構」に貸せば17年度以降、固定資産税が最長5年間、半分に減税される。貸さない場合は2倍近くに増税となる。農地集約に協力するか否かで減税にも増税にもなる「アメとムチ」のような税制だ。(朝日新聞デジタル)

http://www.asahi.com/articles/ASJ305D7FJ30ULFA02P.html


 

この税制を求めたのは、内閣府の規制改革会議であり、安倍政権が掲げる「岩盤規制の打破」に向けた具体策を提言する組織であるらしい。農業分野は同会議の「標的」の一つということで増税の絡む異例の制度変更となっている。

しかし様々な関係者の思惑もあり、各地の農業委員会が農家に対し、農地をどう活用していくかの意向調査を行いそこで農地中間管理機構に貸し出す意向を示せば、結果として貸せなくても課税は強化されないことになったということで、いつもの通りやり方でどうとでも逃げられる政策となっている

また実際の農地の貸し借りの現場では、今回の税制改正で農地集約が進むとみている関係者は少ない。そもそも耕作されないような土地の固定資産税はそもそも微々たるものである。そこそこの地方都市の農地でも固定資産税は反当1000円~3000円程度の場合が多いが、たとえこれが年間1000円増えるからと言って焦って貸し出ししてくれる人がいるだろうか?
また仲介役である中間管理機構が農地の仲介機能を果たせていないということも問題である(目標達成率の2割以下、ただしこれは設定された目標自体が…)。鳴り物入りの政策として登場し、実現不可能な目標数値を設定された担当者や現場に関わる人間は相当苦労していることであるだろうが、100億円単位で予算が計上されている以上このままで済まされる問題ではないだろう。

この制度を設計した人の中では現実の農地はすべて等しく同じであり、人間もみな正しく合理的なのかもしれないが、耕作されない土地にはそれぞれ相応の理由があるのである

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