農産物輸出6年連続最高へ 上半期、政府目標1兆円達成が現実味
2018年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出が前年同期より10%以上増えて4000億円超となり、6年連続で過去最高を更新する見通しとなったことが5日までに、分かった。18年通年でもこれまでの記録を塗り替える公算が大きく、政府が目標として掲げる19年の輸出額1兆円達成が現実味を帯びてきた格好だ。農林水産省が今週中にも発表する
18年上半期は、世界的な日本食ブームが続いていることから全体的に好調だった。特に、中国やベトナム、フィリピンなどアジア向けの伸びが目立った。中でも品質の高さから海外で人気の高まる牛肉やイチゴの輸出増が目立った。
農水省によると、1~5月の累計で牛肉は前年同期比で4割、リンゴは5割、イチゴは4割程度増えている。商業用のコメも2割増で、サバや日本酒も好調だった。6月も順調に推移したとみられる。(産経biz)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180806/mca1808060500002-n1.htm
2018年の上半期での農林水産物の輸出額が過去最高となる見通しが明らかになったという話題
目標額の1兆円も見込める額まで近づいてきたとのことである
農水省は牛肉、リンゴ、イチゴが大幅増だったという分析であるが、牛肉に関しては2001年に口蹄疫が発生して以来輸入停止処置が続いていた台湾への輸出が昨年9月より再開されたことが大きいようだ
また、リンゴに関しても多くの輸出先は台湾となっており農産物の輸出先としてのアジア圏の重要性が改めて見直される
実際に1-5月期での輸出額トップ10のうち、米国以外はすべてアジアの国々となっている
この期間で多かったものを順にあげていくと
一位 アルコール飲料...230億円(うち日本酒86億)
二位 ホタテ...220億円
三位 さば…170億円
四位 ソース調味料...124億円
五位 清涼飲料水...104億円
となっている
また、伸び幅の大きいもので言えば
梨が+325%(前年実績がほとんどなかったため大幅増)
いわし +147%
鯛 +64%
貝柱調理品 +64%
かつお・まぐろ類 +53%
かんしょ +51%
かんきつ +51%
鶏卵 +49%
などが大きく割合を増やしている
7月末には福島県の原発事故ののち香港で輸出規制されていた福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県のうち福島以外の4件の農産物輸出が再開されたこともあり、今年度の合計でも29年度を大きく上回ることが予想されている
日本食ブームに乗って輸出が増大していると書かれることが多いが、実際は潜在的に需要はあったものの制度や流通のめんにおいて障壁があったことに対する政府の支援が効果を発揮してきたとみることもできるだろう
今後はブームで終わらせないように継続的に高品質な農産物の供給を続け、さらなる需要の掘り起こしも図っていく必要はある
しかし一方で、それと並行して農産物の輸入も年々増加しており、農産物供給の空洞化が懸念されるところでもある
日本の農産物が海外で評価を受けるのは喜ばしいことだが、それが日本人の口に入らなくなる日が来ないように農業政策の舵取りをしてほしいものである