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各地で鳥インフルウイルス 警戒レベル最高の3に(11/23追記)

      2016/11/24

秋田県の動物園から鳥インフルエンザが検出された

秋田県の動物園から鳥インフルエンザが検出された(NHK)

秋田市の動物園で死んだコクチョウと、鳥取市で見つかった野生のコガモのふんからいずれも強い毒性の鳥インフルエンザウイルスが確認されたことを受けて、環境省は警戒のレベルを最も高い「3」に引き上げました(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161121/k10010777171000.html


 

鹿児島と鳥取に次いで秋田で高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)が検出されたという話題
これを受けて環境省は警戒レベルを「3」まで引き上げることとなった

詳細は環境省のページが詳しい

高病原性鳥インフルエンザに関する情報(環境省)

さて、警戒レベル3とは何かを整理しておこう
環境省の基準では高病原性鳥インフルエンザに対する対応を決める基準は以下のようになっている

対応レベル1:通常時、3日以内に10匹以上の鳥の死亡が確認されれば回収してウイルスなどの保有状況を確認する
対応レベル2: 高病原性鳥インフルエンザの発生があった場合にレベル2となり、以後監視を強化する
対応レベル3:45 日間以内に国内の複数箇所で高病原性鳥インフルエンザの発生があった場合レベル3となり、全国的に死亡野鳥等調査の対象種を拡大する

となっている
今回は鹿児島、鳥取に次いで秋田の動物園でも毒性の強いH5N6亜型鳥インフルエンザウイルスが陽性反応を示したことにより、国内の複数個所で発生という条件に合致し、警戒レベルが3に引き上げられたという流れである
レベル3になるのは2年ぶりとのこと
また韓国でも同様の型の鳥インフルエンザが発生しているようだ

さらにドイツ、オーストリアなどでも定期的にH5N8亜型の鳥インフルエンザが発生しておりそれぞれ11日と14日に生きた家きん、家きん肉の輸入が停止されたばかりである
ちなみに現在鳥インフルエンザなどの清浄が確認されないとして日本が輸入禁止している国は58国と意外な程多い

家きん類の輸入禁止国

家きん類の輸入禁止国(農林水産省より)

 

一般の方にはヒトに感染するかどうかが心配だろうが、日本ではそのような例の報告はないので今すぐに心配することはない
しかし農トピ閲覧者ならば養鶏などの家きん飼養農家もいるかもしれない
そのような方は飼養衛生管理基準の遵守を徹底し、鳥インフルエンザウイルスの農場内への進入防止に万全を期すようにする必要がある
一匹でも発生すれば園内の家きんは全頭処分が必要となる可能性が非常に高いからである

(追記)
岩手でも発生したようです
オオハクチョウから鳥インフル陽性反応 岩手(yahooニュース)
ただしこちらはまだ鳥インフルエンザ陽性反応という段階なので強毒性インフルエンザかどうかはまだ未確定です


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