現場で役立つ農薬の基礎知識 2017 (水稲除草剤編)
水稲作で一番厄介なものといえば雑草の害ではなかろうか? 病害虫の被害も厄介であるが、病害虫には毎年必ず被害を出すものは少ない。ところが、雑草は、毎年必ず出てきて水稲の生育の邪魔をし、米の品質を悪くする。このように本当に厄介な水田雑草ではあるが、水稲除草剤の登場で、大変効率的な除草が行われるようになり、農家の除草にかける労力は大きく削減された
ただし、その優れた除草剤の力を十分に発揮させるためには、除草剤の特性に合わせて、正しく使うことが肝要だ(JAcom)http://www.jacom.or.jp/nouyaku/rensai/2017/04/170404-32417.php
今回はニュースではないが、水田除草剤についての詳しい運用方法の記事が出ていたので紹介する
序文にある通り現代の大規模農業においては除草剤の効率的な使用は欠かせない
除草剤の作用機構を理解し、適切に運用することでその効果を最大限発揮できるだろう
ポイントは
◆ほ場の準備・田面の均一化
◆苗の丁寧な植え付け
◆除草剤の適期散布
◆水管理の徹底
である
水田除草剤は水を介して土壌表面に効果を発揮するため、圃場の均一化と水管理の徹底を意識しなければ効果が減少してしまう
また、除草効果のためと、環境への流出の影響も抑えるためにも除草剤使用後の落水は控えなければならない
また対処の困難な多年生雑草は稲の刈り取り後に生えてきた雑草類にグリホサート系の茎葉処理剤を使用するようにしておけば田植え以降の発生密度を減らす効果が期待できるとこのと
また長期の除草効果が期待できる一発剤が省力化のために多用された結果、その成分であるスルホニルウレア系薬剤に抵抗性を示す雑草が増えてきているようだ
一発処理水稲除草剤は複数の成分を含んでいることがほとんどであるが
その組成を理解し、除草しにくい雑草が増えてきているようであれば異なる剤系の除草剤を利用するなど適切な利用をしていくことが重要である
参考表:【主な一発処理水稲用除草剤と有効成分】(PDF:JAcom)
まずは農薬の仕組みを理解し、最適な薬剤を選び効果的に処理することが大事である