希望の党の農業政策とは
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は6日、都内で会見を開き、衆院選公約を発表した。消費税増税の凍結、原子力発電所ゼロ、憲法改正を軸に九つの柱で構成。農業政策では、補助金を大胆に廃止して直接支払いに転換することを明記した。食品ロスをなくし、食料自給率向上につなげることも重視した。経済政策では安倍政権の規制改革が不十分だと指摘。徹底した規制改革と特区の活用を重点に掲げた。
小池代表は「既得権益、しがらみ、不透明な利権を排除し、国民ファーストの政治を実現する」と強調した。公約の実現に向け「12のゼロ」を目指し、原発ゼロや待機児童ゼロなどを提起。「フードロス(食品ロス)ゼロ」については「食べ物の廃棄分を加えるとカロリーベースの自給率も大幅にアップする」と指摘した。
農業政策は「地域の活力と競争力の強化」を盛り込んだ。持続可能な地域へ、農林水産業の強化が必要とし補助金の大胆な廃止を提起。「これからの時代に勝てる農政に転換する」とした。(日本農業新聞)
2017衆院選での話題の中心である希望の党の選挙公約がでたという話題
いろいろと怪しいことになってきた感のある希望の党であるが、農業の話題を扱う当サイトにとって重要な農業部門での公約に注目していきたい
希望の党の出した農業関連政策は以下の通りである
衆院選公約
・農業補助金を大胆に廃止
・農家への直接支払いに転換
・徹底した規制改革と特区の最大限活用
・フードロス(食品ロス)ゼロ
政策集
・食料自給率50%
・意欲ある若手、女性農業者の育成・支援
・世界最先端の食の安全基準の導入
・有害鳥獣の半減を目指し、捕獲対策を強化
・相続税納税猶予などの税制措置で都市型農業を振興
まだ各項目の詳細は出ていないだけに判断はできないが、補助金を廃止して農家への直接支払いに転換するといえば旧民主党が政権を取った選挙の時に訴えた農業者戸別所得補償の制度が思い出される
当時は時流もあり自民党の農業票をかなり切り崩した一端にもなったがその実を経験した農家が今回どのような判断をするかは不明確だ
徹底した規制改革と特区を利用するというのは現政権のスタンスと同じだが詳しい内容はどのようなものだろうか
公約の最後のフードロスゼロというのは普通に考えて実現不可能な感のある内容だが、これも公約である
どのようにして実現する予定なのかは興味深い
現在のでもリサイクル100%をうたう自治体の内容がリサイクル業者に引き渡しただけであったり、ペット殺処分ゼロの自治体の実態が特定業者に引き取ってもらっているだけということもあるが、廃棄食品処理業者へ移動させるだけの政策では将来への希望があるとは言えない
現在の食料自給率の計算方式ではフードロス部分がそのまま食料自給率を下げる計算方式となっているため確かにロスが無くなれば自給率50%はすぐに達成できることになるが、大事なのは数字ではなく実態である
政策面でも有害鳥獣の半減などは捕獲対策だけでは実現できるはずがないような気もするがその内容はまだ分からない
今回はTPPがらみで農業が政局の中心だった時期とは異なり農業が選挙の話題に上ることは少ないが、おそらく野党第一党になるであろう希望の党の農業政策がどのようなものであるかは目を通しておく必要があるだろう