レモン摂取すると骨密度上昇、血圧下がる効果も
2016/05/14
県立広島大(本部・広島市)などの研究グループは、レモンを食べると体内でカルシウムの吸収率が上がり、血圧を下げる効果があるとする研究結果を発表した。
研究成果は、足腰の衰えで歩行などが困難になる「ロコモティブシンドローム」の原因となる骨粗しょう症などの予防に役立てていくという。13~15日に兵庫県で開かれる日本栄養・食糧学会で発表する。(読売オンライン)
レモンとともにカルシウムを摂取した場合カルシウムの吸収率が高まるという話題
今回もタイトルと実際の実験の内容を注意して見て欲しい内容となっている
新聞記事にあげた方のタイトルだけを読むとレモンに何らかの特殊効果があるように受け取れるが、詳細に上げたプレスリリースの方をざっと読むとレモン果汁1個分とカルシウム350mg入りの特殊ドリンクを6ヶ月摂取してもらう実験となっている
成人の1日のカルシウム目標摂取量は約600mg、平均的には少し摂取量は目標に足りていない程度と言われていることをことからすればこの時点で実験内容に少し疑問符が付く
さらにプレスリリースでは対象区のデータが上げられていないのは問題で、これではレモンの効果があったのか、カルシウム単体での効果なのか、はたまた実験に参加している事による生活意識の変化によるものなのか判断が付かない
実際の研究現場ではもちろんその辺のデータも取っているだろうが、公表するデータにぜひその辺りを追記して欲しいものである
さて、逆に農業情報サイト的になぜ県立広島大学とポッカの研究なのかと言うことに着目すると、あまり知られていないが国産のレモン生産量日本一は広島県であり、その量は全国の6割以上を占めている
レモンは寒さに非常に弱いため温暖な瀬戸内の気候が適しているのと、かいよう病という対策の難しい病気が台風などにより広がりやすいのでそれらの影響を受けにくい条件も兼ね備えている広島県の島嶼部で産地が形成されてきたようだ
近年は安全、安心な国産品の需要が高まり広島県でも栽培が奨励されている
わずかではあるがマーレシアや台湾にも輸出されているらしい
ポッカは創業からニッカレモン株式会社としてレモン飲料のトップメーカーであることを考えるとこの冬あたりに広島県産レモン果汁使用のカルシウム強化飲料を特保(トクホ)として出してくるつもりかもしれない
話は戻るがカルシウム摂取にクエン酸が何らかの効果を及ぼすことは10年以上前から報告されている
今回もおそらくレモンでなくてもクエン酸を含む果汁+カルシウムの飲料であれば同様な効果が得られる可能性が高い
ここはぜひ大分県にも後追い実験でカボスを用いて話題づくりに一旗上げて欲しいものである
実験の内容は精査が必要だが、メディアに健康効果が取り上げられただけでもこの実験は一定の成果を上げたと言って間違いない