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情報通信技術(ICT)を用いたサルの大量捕獲、全頭捕獲した事例も

   

ニホンザル

ニホンザルの農業被害も広がりつつある

<サル被害>ICTで大量捕獲 全国有数の被害県の取り組み

シカやイノシシと共に農作物に深刻な被害を与えるニホンザル。二つの群れが生息する三重県名張市では今年、初の大量捕獲が実施され、県内屈指の頭数がすむ伊賀市では、県が2014年度から最新の情報通信技術(ICT)を用いた大量捕獲を行っている。両市の例を基に、全国有数のサル被害県・三重の取り組みを調べた(yahooニュース 毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160627-00000036-mai-soci


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サルの被害に悩まされる地域にとって注目の話題
三重県伊賀市では800頭以上がが生息。集落ぐるみの追い払いや電気柵設置へで成果を上げており、阿波地域住民自治協議会が13年度にはこれらの取り組みで国の表彰を受けている

しかし年々数が増えるサルに対しては追い払いなどの対策ではもう限界だという声が多く、今回県の許可を得て大量捕獲の実験を行ったとある

記事本文によると
>新たな対策モデルを目指し、県が国の研究費を受けて行ったのが、ICTを使った遠隔監視・操作システムによる大量捕獲の実証実験だ。最大10メートル四方の大型オリやカメラ、センサーを設置。パソコンやスマートフォンで現地の映像を見ながら、画面のボタンを押せばオリが閉まる。14~15年度は18カ所にオリを仕掛け、5群の430頭を捕獲。うち100頭を超える2群は全頭を捕まえた。これで被害は捕獲前の148万円から9万円へ大きく減少した
とある

これはサル被害に悩まされる全国の地域にとっては有用な話題ではないだろうか
サルはシカやイノシシとは違い猟師でも駆除は難しいし、通常の罠などにもかかりにくいとされてきた
それが100頭を超える群れを全頭捕獲できたというのはかなり画期的である
生息数800頭だったのが2年間で430頭捕獲とはかなり効率がいいのではないだろうか

記事中では全頭捕獲を目指していくのではなく、森林が再生され、そこに生息できる範囲内まで群れの頭数を減らすのが最終的な理想の形ということが示唆されている

アメリカのイエローストーン国立公園ではある一つの群れのオオカミを放つことにより生態系を劇的に改善した例がある
これは捕食者であるオオカミを放つことにより、直接的にシカなどの数が減ったこともあるがそれは小さな変化であり、捕食者に狙われることにより被食者である草食動物の行動が変化し、狙われやすく逃げづらい谷の合間や障害物があるような狭い道など、特定の場所を避けるようになったことが大きいらしい

これらの地域では、鹿などが近づかなくなったため、植物たちが息を吹き返し、たった6年間で裸同然だった谷あいの側面はあっという間にアスペンや柳、ハコヤナギが多い茂る森となり、すぐに多くの鳥たちが生息し始めたとのこと

さらに木が増えたことによりビーバーなどの生息が回復し水生環境も変化、またコヨーテなどの捕食者をオオカミが捕食することによりウサギをはじめとした小動物も回復したとある

現代の日本環境ではオオカミを放つなどという行為は現実的には不可能である
であるならば自然環境の維持には捕食者としての役割を人間が果たすことが必要ということをイエローストーンでの実験が示しているのではないだろうか
これまで追い払い中心だった農作物の鳥獣害対策も害獣の生息数が格段に増えた現在ではもはや焼け石に水な対策となりつつある
新たな対策に踏み出すことが必要な段階に差し掛かっているといえるだろう

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