[鳥獣害と闘う] 捕獲事業者に認定 猟期問わず対応 JAグループ京都対策本部
一般社団法人「JAグループ京都有害鳥獣対策本部」が、京都府知事から「認定鳥獣捕獲等事業者」の認定を受け、本格的な捕獲活動に乗り出した。JAの地域貢献の一環で、狩猟者の高齢化などが進む中、有害鳥獣による農作物被害の防止・抑制を目指す。都道府県単位でJAグループが同事業者に認定されるのは全国初。
JAグループ京都は昨年5月、一般社団法人として同本部を設立し、今月5日に事業者の認定を受けた。2015年施行の改正鳥獣保護法に基づき環境省が新たに導入した制度で、猟期の期限なく年間を通して府内全域で活動を展開できることが特色。
猟期は通常11月15日から翌年3月15日だが、府が発注する「指定管理鳥獣等捕獲事業」に入札し、受託すれば農家から要望が強い夏季の捕獲活動なども行える。(日本農業新聞)
https://www.agrinews.co.jp/p38186.html
JAグループ京都が認定鳥獣捕獲など事業者の認定を受け捕獲活動に乗り出したというニュース
農業界において年々被害が拡大する鳥獣の対策として都道府県単位で活動できるようになれば農業者としても大変心強い
これまでの鳥獣害対策は隔離や追い払いが基本となっていたが、害獣の個体数の増加によりそれも限界にきており、個体数を減らすために積極的に狩猟する必要があるのではないかという指摘もある
これまで狩猟は猟友会などに依頼するケースがほとんどであったが、JAグループとしてこの事業に取り組んでもらえれば猟師の高齢化問題や、猟師と農家のトラブルの問題なども解決に向かう可能性もある
また、猟期が従来冬に設定されているのは鳥獣の保護の意味もあるようなので(通常春に出産して秋には独り立ちするため)、夏季などに捕獲可能となれば個体数を減らす意味でも農作物の保護の観点からも意味がありそうである
県や国にもこの辺りに積極的に協力してJA京都グループとして成果を上げ、全国のJAに取り組みを広げてほしいものである
最近の自民党農林部会では農業改革としてJA改革が挙げられているが、旧い組織として農業停滞の原因と批判し、これを改革することを農政の手柄とするのはかつて郵政を悪として国民を味方につけたやり方が思い出される
組織改革による生産資材価格の引き下げを目玉のキーワードとしているが仮に目標の数%資材が低下したところで農家の収入はほとんど変わらない
経営コストをしっかり考えている農業者はJAの資材が高いならすでに他の業者から購入しているからである
販売に関しても独自チャンネルで販売している個人も多いし、逆に農産物の大産地ともなれば農業者が生産に集中できるJAの共同出荷のメリットの方が大きい
農業関連ニュースが話題になったとき、残念ながらたいていの人は農協が諸悪の根源のようにイメージしているようなコメントが多い
もちろん補助金などに基づく政治圧力を使って農家を押さえつけ利益を追求するという状態では問題があるが、生産者本位での組織運営を推し進め、現場の人間の農業技術の向上を図っててもらえれば、これからもJAという組織が農業者にとって必要な組織であり続けることができるだろう
そしてそれこそが真に農業者のためになる農協改革といえるのではないだろうか