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SSDへのクローン失敗、盲点だった原因とその対処法は…

      2017/04/06

Lavei LS150/M

問題のLavie LS150/M

友人より少し前のモデルのNECノートパソコン Lavie LS150/M のSSDへの換装を依頼されました
2013年モデルのこのノートパソコンは750GBのHDDが搭載されており、SSDでの高速なレスポンスに慣れているものとしては若干動作速度に不満があるため換装してほしいということでした

早速amazonで1位のSSDをポチってもらい、クローン作業に入りました

crucialのSSDはAcronis True Image 2015のライセンスがついているのでクローンして換装する初心者の方にもお勧めできます
intel製についてくるIntel Data Migration Softwareのような制限もありません
なおこの時購入した250GBの価格で現在は525GBの物が購入できる模様
1年も経ってないのに…

さて、外付けケーブルで接続し、ディスクの管理から領域を確保してツールを用いてクローン作業を行っていきます
このとき再起動がかかるので、忘れずにsecure bootを切っておきます(UEFI起動はF2)
30分ほどでクローンが完了し、内臓HDDと差し替えてサクッと換装完了…のはずが起動できません
OS起動前のNECのロゴ画面でサークルが回り続けます…

調査したところ
・今回のLavieは非AFTな旧式のHDDを搭載していて、かつIRST(インテル®ラピッド・ストレージ・テクノロジー )ドライバの入っていない状態
・最近のSSDはすべてAFTである
・NECのカスタムされたUEFIがIRSTのraidモードでディスクを認識する形から変更できない
・そのためクローン自体は成功していても換装後にディスクを認識できない非ATF→ATFドライブへのクローンのため正常に起動できない
参考:AFT(アドバンス・フォーマット・テクノロジー)とは
NEC標準のリカバリディスク作成ツールから作成したリカバリディスクも当然初期状態のため、AFTなディスクにリカバリしようとすると失敗しますし、windows標準のイメージバックアップを使った書き戻しもハードディスクが見つかりませんとなってしまいます

ちなみに素のwindowsのインストールメディアを使う場合、IRSTのドライバをUSBメモリなどから別途インストールすればAFTディスクにもインストール可能です

換装前HDD

抜き出したHDD
確かにAFTマークは無い

 

クローンから起動できない場合の対処法としてネットでよく見かけるのは「ブートセクタが壊れているのでシステム修復ディスクからスタートアップ修復をしましょう」とか「修復ディスクからコマンドプロンプトでdiskpartからpartitionをアクティブにしましょう」と書かれていることが多いですがUEFI&GPTのシステムが標準となるwindows8以降ではこの操作はそもそも必要ありません
この環境ではブートセクタなどはないし、GPTファイルシステムではactiveなマークを付ける必要はない、というかavtiveにできませんでした

換装時にUEFIで起動が進まず、Legacy(BIOS)で起動するとno bootable deviceとなる場合は今回の例を疑ってもいいと思います(NEC製は特に)
おそらく非AFTなSSDを入手していれば何も考えずクローン成功していたのでしょうが、現状出回っているHDDおよびSSDはすべてAFTとなっています
対策としては換装前のWindowsでIRST: インテル®ラピッド・ストレージ・テクノロジー (インテル® RST) を導入し、再起動後にクローン作業を行い、SSDと差し替えて電源を入れると何事もなくSSDからWindowsが立ち上がりました

ずいぶん遠回りしましたがこの記事が誰かの役に立ってくれることを願います

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