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農産物輸出5月も前年割れ てこ入れへ経済対策

   

輸出

輸出額も伸び悩みつつある

政府の「強い農業」の看板政策、農林水産物・食品の輸出拡大が、ここにきて足踏み状態になっている。農水省が12日に公表した5月の輸出額は、前年同月比1.7%(10億円)減の547億円となった。前年割れは今年に入って3回目だ。日本食人気を背景に農産物の輸出は好調だが、大きな割合を占める水産物が不漁の影響を受け、為替動向も不透明さを増している。政府は、輸出額1兆円目標を達成するため、秋の経済対策に輸出拡大策を盛り込み、てこ入れする考えだ(Yahoo!ニュース 日本農業新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160713-00010000-agrinews-pol


 

5月の輸出統計が発表されたが、前年同期より2%近く減り547億円にとどまったというニュースの話題

1~5月の間で3度目の前年割れということでこれまで比較的順調に伸びていた農産物の輸出額が伸び悩んでいることが明らかになったといえる
資料:農林水産省輸出輸出入統計

記事中では
>米や茶など日本食人気に支えられた農産物は172億円増えた一方、水産物が160億円減り、全体としては微増だった。稼ぎ頭のホタテは2年前の天候不良で稚貝が十分に育たず、本格的な生産回復は18年ごろになるとみられている。
と考察している

しかし以前書いたホタテの記事で、そもそもホタテの海外需要が資源保護により突発的に増えたことによるもので次第に海外の生産量が回復してくるとの見込みを書いている
したがって18年ごろになっても今より輸出量が増えているかは疑問が残るところであろう

また、米や茶など日本食人気と書いてあるが実際に増えたのはお茶類で10億程度、コメは食用米はむしろ減っており、穀粉調製品という品目が増えていること、他にはリンゴが9億ほど伸ばしているが額面の大きいアルコール飲料、調味料、菓子類などがそれぞれ増えているので農産物の増加した172億円の内訳の多くはそちらということには注意が必要である
補正予算での輸出促進政策が噂されているがこのような業界への輸出施設の対応やHACCP対応に重点が置かれるようで、生産農家は少し置き去りにされている感覚もあるのが本音であろう

円高の影響もあり海外での販売単価も少しづつ厳しくなっているようである
輸出ということはこのような不確定要素を含むのは当然なので数値目標としての1兆円達成を無理に焦る必要はない
持続可能かつ、国内農業者にとっても有益な輸出増加が起きるような農業政策をとっていただきたいものである

 

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