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生産資材の価格比較サイト作成、来夏に稼働の目標 農水省

   

農水省ドットコム

農水省ドットコム?

 

 農水省は、全国の業者が販売する農薬や肥料など生産資材の価格を一覧で表示し、販売業者を比較できるウェブサイトを立ち上げる。インターネット上で家電などの価格が比較できる「価格ドットコム」の資材版で、2017年夏の稼働を目指す。割引や配送エリアも発信し、農業者が少しでも安く調達するのを後押ししたい考えだ。(日本農業新聞)

https://www.agrinews.co.jp/p38541.html


 

生産資材改革の一端として、農水省主導の価格比較サイトを作る予定という話題
正直かなり意外というか、国の主体でこのようなサイトを作成するということ自体が異例なことである

補正予算に事業費として1億円が計上されていることから調査レベルではなく実際の稼働までかなり力を入れてくることは予想される
制作や運営は民間に任せるということだが、毎年かなりの額がこれの維持費としてかかってくるだろうが、その費用対効果には注目しておかねばならないだろう

当の価格.comでは肥料カテゴリはあるものの農薬カテゴリは無く、利用者が少ないのかまともな分野とはなってないようである
農業者レベルでの肥料や資材の注文となると配送の関係があるため小口の業者などは参加してもうまみが見込めないサイトとなる恐れはある
そのあたり、農水省の事前の価格調査での回答がJAグループは100%近い回答率だったのに対し、商系は肥料で2%と低調だったことともつながってくるだろう

地域に集荷、配送センターを抱えるJAグループならそのまま価格を掲示するだけで対応可能だろうが、全国からどの程度注文が来るかわからない資材の在庫を抱えられ、配送や受注までこなせるということはホームセンター系チェーン店ぐらいしか思いつかないのが実情ではなかろうか?

金額的にも、採算割れレベルで仕入れ可能な手段がある家電などと違って農業資材はメーカーの卸値以下に下がることは少なく、結局は仕入れロットを大きく持てる業者しか利益が出せないのではないだろうか

また、先日JAグループの扱った太平物産の有機肥料の成分偽装問題では85億を超える賠償問題となったことも記憶に新しい
<肥料成分偽装>負債85億円 太平物産
この問題はJA扱いだったため額が大きく膨らんだのだが、逆に賠償に対応できたのもJA扱いだったからともいえる
生産メーカーがしっかりしている農薬や機械などはまだしもネット上で安いというだけの肥料を使いたがる農家がどれほどいるかは微妙なところかもしれない

インターネット上でのこのような取り組みは非常に興味深い反面、そこにニーズが発生して自然に生まれたサイトではないものである以上、何らかの問題が起こってくるものは仕方ないといえよう
ただ今までにない取り組みであるのは間違いないので今後の動きに期待したい

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