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農業人口 2050年に半減へ 85歳以上3割 自民試算

   

 2050年には農業人口が半減し、100万人程度に。そのうち3割は85歳以上――。自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT、小泉進次郎委員長)がこんな試算をまとめた。国内の農業生産を維持できないとみて、11月に決める環太平洋連携協定(TPP)の中長期的対策に、人材育成や労働力の確保策を盛り込む。(yahooニュース 日本農業新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161010-00010001-agrinews-pol


 

2050年には農業人口が100万人まで半減するという試算がまとめられたという話題
当サイトでも今年の記事で農業人口が200万人まで減ったという話題を取り上げたが、35年後にはさらにその半分になるということで多くのニュースサイトでも取り上げられている

当サイト記事:農業人口200万を割る

現在の就農者数や定着率、日本の総人口の減少見通しなどから「厳しく見積もった」(鈴木憲和PT副委員長)とのことである
厳しく見積もるには当然理由があるわけで、この試算はTPP中長期プロジェクトチームの作成であることから当然外国人労働力の確保という話の流れになってくることは予想される

農業分野に外国人材=特区で受け入れ検討―政府(yahooニュース 時事通信)

ただ、2050年には日本の人口も25%減って日本の人口は約9700万人に減少することと、全国の6割以上の地域で、人口が2010年時点の半分以下になるという試算がすでになされていることも注意しなければいけない

また、記事には昨年策定した食料・農業・農村基本計画は、国内の農業生産の継続には90万人程度の農業就業者が必要だと推計していたことも記載されていることに注意である

これは野菜・果樹・畜産など土地利用型作物以外の基幹的農業従事者と雇用者は約60万人で、将来も同程度の人数が必要
土地利用型農業では集積が進み一人10haの耕作が可能となったときに現在の面積をカバーするには30万人が必要として、これらの合計
60+30=90万人という計算で試算されているようだ

それならば(農水省の試算通り農地の集積が進むとするならば)100万人の農業人口が残るという今回の試算ではあまり問題はないのではないかともとらえられる
とすれば今回の試算の問題は2050年では農業人口の3割近くが85歳以上ということである

85歳といえば現在の男性の平均寿命80.79歳を大きく超えているが本当に30万人も農業人口として活動できるのかは疑問である
実際の農業人口はさらに少ないと考える必要があるだろう

農水省は今回の提言を受けて(1)農業大学校の専門職業大学化(2)就農の入り口となる農業法人での雇用拡大(3)青年就農給付金制度の改善(4)地域で農業をしながら経営学を学べる農業経営塾(5)外国人労働力の確保、などを議論の対象としていくつもりのようである

個人的にはこれに追加して現在農業で生計を立てている若手~中堅農家のさらなる経営安定対策を盛り込んでいくことが必要なのではないかと考える
新しく就農した農家を大規模で安定的に農産物を生産できる形態まで育てるのは大変な労力がかかるものだ
また、土地利用型農業などは様々な問題が絡むためその地域にもともと根付いた農業者でなければ大規模な形に経営を拡大していくことは難しい
それならば現在すでにある程度の規模で農業を行っている農家の経営を支え、育てる政策を充実させ、その農業者たちが地元で雇用を生み、新規農業者の手本となって地域を支えていくということが現実的ではないだろうか


 

 

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