40年前の農薬の残留がきゅうりから検出
2016/06/27
キ ュウリから基準値超の農薬 所沢の直売所で販売、健康に影響なし
いるま野農業協同組合(川越市)は21日、所沢市上安松のJAいるま野松井農産物直売所で販売したキュウリから、食品衛生法の基準値(0・02ppm)を超える0・10ppmの害虫駆除剤「アルドリンおよびディルドリン」を検出したと発表した(埼玉新聞)
http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/06/22/02.html
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きゅうりから基準値を超えるアルドリン、ディルドリン類が検出されたという話題
いわゆる残留性有機汚染物質(POPs、Persistent Organic Pollutants)であるドリン系農薬であるが1970年代まで様々な作物に有効な殺虫剤として使用されていた
土壌への長期残留性が確認され農薬登録が失効して、使用されなくなってから40年が経過する現在でもアルドリン、ディルドリンなどが検出される汚染土壌が存在するというのは驚きな話である
検出基準値に100~1000倍の安全係数がかけられているので0.02ppmという非常に低い検出基準であること、他の植物にくらべてウリ科作物で特異的に吸収されやすいことから過去にもキュウリなどで検出された事例があるようだ
それに対する対策もいまだに研究されており、難吸収性の台木を使ったキュウリを定植する、ウリ科以外の作物を栽培する、客土や炭資材などで土壌を改良するなどの他に、吸収性の高いズッキーニなどを植えて吸収させ土壌を清浄化させる研究もなされているようだ
ということは逆にキュウリだけを作り続けていた園地の場合すでに根域のドリン濃度は下がっている可能性が高い
個人的な予想になるがかつてドリン類を使っていた園地で近年キュウリに転換したり、土壌の天地返しを行ったりした場合に急に検出されるという場合が考えられるのではないか
路地キュウリ栽培は比較的収益性が高いとして他の作物から転換を勧められる例もあるようである
その時にこのような話題があることを覚えておくと何かの役に立つかもしれない