家庭でできる炎色反応 農トピ的炎色反応とは
2016/08/24
夏休みも残すところあと10日となり、夏休みの科学実験はもう済んでいることでしょうか?
当サイト運営者も、毎年帰省してきた親戚の子供たちに科学実験を披露する時期なのですが
今年は炎色反応を準備しました
夏といえば花火が定番ですが、この実験の後に花火を行えば実験の印象もさらに強くなるでしょう
炎色反応というのは特定の物質を燃やすとそれぞれの特性に応じた色が出るという現象で、詳しい原理は以下の通りです
炎色反応(wikipediaリンク)
通常はガスバーナーと白金線、試薬を用いて実験を行うのですが、当サイトらしく家庭で(農家で)集まるものを利用してこの実験を行いたいと思います
○準備するもの
燃料用アルコール(ドラッグストア、ホームセンターなどで入手)
綿棒(紙軸)
ライター(チャッカマンなどが安全)
アルミカップ(弁当などの小皿)
※燃え尽きた綿棒を入れる水の入ったコップなどを用意しておく
試薬として
食塩
除湿剤(塩化カルシウムが主成分なもの)
ホウ酸(ドラッグストアにて)
カリグリーン(農薬)
サンボルドー(農薬)
これらを用意します
※農薬はホームセンターで購入すると小袋入りの小分けされたものが買えて便利です
今回はコメリにて購入しました
ここで農トピ的にサンボルドー(ドイツボルドーでも可)だけはぜひ手に入れて実験に加えてほしいところです
銅イオンが殺菌剤として働くことは今となっては有名ですが、農薬の始まり自体が盗難対策に硫酸銅と石灰を混ぜた溶液(青白色の液体)を散布していた街道沿いのブドウに、当時流行していたべと病の被害がみられなかった事から考案された、という歴史を紹介すれば実験の深みも増すことでしょう
反応も明るく申し分ありません
さらに加えると銅の炎色反応は塩化銅であるサンボルドーでは出やすいですが、塩基性第二銅が成分のコサイドなどでは反応が観察しにくいことも特徴です
コサイドやICボルドーならうちに在庫有ったのに…
また、カリウムに関してはミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)を勧めるサイトが多いですが炎の色が見えにくいので農薬のカリグリーン(炭酸水カリウムが主成分)をお勧めします
また、肥料のハイポネックス微粉(窒素-リン酸-カリウム=6.5-6-19)でもまあまあ良い反応が見られます
肥料でも反応が見られるということでこちらの方が後の考察には良いかもしれません
基本的な実験方法ですが、まず燃料用アルコールのみを綿棒につけ点火します
そして点火
アルコールのみの炎の色を見ます
燃料用アルコールはメタノールにエタノールを2割ほど加えたもので、白~青の目に見えにくい色で燃えます
ここまでが予備実験、続いてそれぞれの試料を綿棒に付けた後、アルコールに先端を浸して点火していきましょう
食塩は粒径が大きい場合が多いのでそのまま付着させる方式だと反応が見にくいです。飽和水溶液を作って綿棒をアルコールに浸した後、塩水に一瞬つけたものに点火します
また除湿剤は貯まった水が飽和塩化カルシウム水溶液となるのでそれを利用します
以上のようにそれぞれの物質によって異なった炎色反応が見られると思います
実験の最後に全色の綿棒を用意して一気に点火すると盛り上がることでしょう
※左から順にNa,Ca,B,K,Cuの炎色反応です
その後は当然花火をすれば大盛り上がり間違いなしでしょう
もし庭ですぐに花火が出来る環境にないならばスマホの映像を家にある物を使って3Dホログラムにする方法で花火を演出するのも良いかも
※繰り返しますが火気を扱うのでくれぐれも安全には注意しましょう
農トピ的には教科書でしか目にしないような化学物質でも、農薬や身の回りの物質の成分として存在しており、それがまた花火などの全く異なる現象に関係しているんだということを感じてもらえれば幸いです
綿棒も10秒程で燃え尽きますし、使用する物質も比較的安全な実験ですが、人前で試す時には必ず予備実験を行って経験を積んでからにしましょう
動画のやり方は綿球などを使っており少し危険なところもあるので詳しいやり方が気になる方は問い合わせください