野菜高騰、家計を直撃 日照不足で供給量減(追記あり)
2016/10/13
9月の日照不足の影響で、葉物野菜の価格が高騰している。台風や長雨による不作で供給量が減少。食品スーパーの店頭価格は、例年の2〜3倍に跳ね上がっている。特に県内産のレタスやホウレンソウ、コマツナなどが不足。野菜の値上がりが家計を直撃している
県内では9月中旬から曇りや雨が多く、日照時間の少ない日が続いた。水戸地方気象台によると、水戸市内では、同11〜26日の日照時間が27・8時間で、例年の43%止まり。農水省の食品価格動向調査(同26〜28日)によると、主要野菜5品目のうち、タマネギ、キャベツ、トマトの3品目の店頭価格は例年に比べ、最高で22%高い。
農水省は、ダイコンやニンジン、ホウレンソウ、キュウリ、ピーマン、ジャガイモは10月後半まで高値で推移するとみている(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14759361305663
日照不足などの影響で野菜価格が高騰しているという話題
ニュースの引用先にもあるが、レタスや小松菜などが特に高騰しているようだ
私自身も今日スーパーに買い物に行くとレタスが店頭に無く、カットものでも298円と、キャベツ1玉と同等の価格となっていて驚いたものである
これには9月の日照不足が主に関係している
洗濯物が干せない…9月中旬は記録的日照不足(ウェザーニュース)
こちらの記事によると
■9月中旬の日照時間(平年比)
・仙台 10.0時間(26%)
・東京 6.2時間(16%)
・名古屋 11.4時間(23%)
・大阪 19.2時間(38%)
・福岡 28.7時間(54%)
ということで関東で平年の2割、西日本でも平年の半分の日照時間しかないという結果になっている
これは台風の度重なる襲来と、秋雨前線の停滞によるものだが、過去50年で最低の日照時間という地域もあるようだ
こうなると比較的短期間で生育し、病気などにも弱い葉物野菜は生育に顕著な影響がある
市場での入荷量も激減し、その分が価格高騰につながっているようだ
比較的解消に向かっているとはいえ現在もレタスが平年比200%高を筆頭に、1.5~2倍の価格となっているものが多く見受けられる
netアグリ市況によると平年比値上がり率ランキングで20位まで見ても78%高(ししとう)となっていることから、いかに多くの品目が高騰しているかがわかるであろう
ただ、葉物野菜は天候の回復とともに順次生産量が回復していくものである
消費者としてはどうしても使わないといけない野菜以外はこの時期はあきらめて、普段手を出していない値上がりの少ない野菜などで料理をする工夫をしてみるのも一つの手ではないだろうか
日本には予想以上に多くの品目の野菜があることと、それを生かす日本料理の多様さを再認識するよい機会かもしれない
ちなみに今日現在で平年比で値下がりしている野菜ランキングはまつたけ、わさび、しめじ、えのきだけ、トマトとなっている
値下がり幅は少ないがやはりきのこ類はこのような気候でも生産量は落ちていないようだ
(追記)
毎年のように繰り広げられる野菜高騰とその後の価格低迷は自然環境の不安定化と日本の農業が大産地化、単一化している結果でもある
かつてはある産地が天候不順などで不作に見舞われても日本国内のその他の産地が平年作であり、多少の相場変動で済んでいたということもある
それでもレタス1玉は昨年でも700円まで高騰していた時期もあるし、緊急野菜供給対策が発動した年もある
今年のみに限った現象ではなく、日本農業の構造的な宿命と考えた方がよいだろう
こういうときには植物工場が注目されることになるが、つい最近東芝がレタスの植物工場から撤退することを発表したばかりである
また、補助金の無くなった植物工場でも倒産が相次いでいる
補助金漬け「植物工場」の不毛~どうなる?日本の次世代農業(読売オンライン)
あまり知られていないがレタスは特異的にLED光で生育させやすい、植物工場に向いた植物である
それでも通常の路地栽培レタスと比べると価格面でかなりの開きがあるのが現状である
報道では現在の植物工場の7割は赤字という話もある
生産コストがかなり改善され、販売価格が下がってこない限り植物工場というものは天候不順による野菜の供給対策としての役割を担えるものではないようだ
一般でも入手可能になってきた植物育成用LEDランプ
家庭でも植物工場が実現できるかも