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餅つき禁止!? 年末年始恒例なのに 自治体規制に住民反発も

   

臼と杵

年末の風物詩も規制対象に…

 

年末年始の風物詩、屋外で第三者に餅を振る舞う餅つきイベントを禁じる地域が出てきた。餅をちぎったり丸めたりして人の手に触れる工程が多いため菌やウイルスが付きやすく、集団食中毒が発生する恐れがあるとして、一部の自治体が判断した。農家やJA職員、消費者からは「祭りで餅つきができないのは寂しい」「衛生管理は重要だが、規制をかけるのは行き過ぎだ」といった声が上がっている(日本農業新聞 yahooニュース)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00010002-agrinews-soci


 

食中毒の恐れがあるために餅つきイベントを禁止する動きが始まっているという話題
これを受けた反応には「なんでも規制するのはやりすぎだ」という声も上がっているようだが、現状を知ればまた少し違った感想になるかもしれない

実は餅つき大会が原因で毎年数件の食中毒事件が発生している
記事では昨年1件となっており、それだけで規制?と思うかもしれないが、2015年で検索して1ページ目だけでも大阪で131人、東京で41人、などの事例が出てくるので報告されてない事例を含めると発生件数はそう少なくはないようである
事例を見るとその多くは幼稚園やこども園(保育園)などの児童施設の主催するイベントである
抵抗力の弱い児童が多く集まるイベントなだけあって、100人以上の単位で被害者が発生する集団食中毒事件となる可能性が高い

この原因としては多くの園児を抱える施設では園内に常に何らかの感染源が常に存在していることに加え(ノロウイルスなどのキャリアが存在している可能性は高い)、児童などが作業に参加するということで手洗いを徹底したり器具を清浄に保つことなどが難しいことがあげられるようだ
保育施設の給食などは専用の調理室で専門の職員が衛生管理を徹底して調理を行っているが、餅つきなどのイベントでは屋外で手洗いの設備もなく、保護者なども入れ替わり立ち代わり作業を行うことになり食中毒のリスクは高まっている

高温になった餅を扱うために菌などは繁殖していないというイメージがあるが、ノロウイルスの殺菌のガイドラインでは85℃以上を90秒で殺菌である
素手で餅を丸めることができるということは、作業をしている人間の手にノロウイルスが付着していれば生きたまま餅の中に練りこまれると考えておいた方がよいだろう
なお通常のアルコールでの消毒は効かないので対策しているつもりでも効果がない場合もあるので注意である

また、杵つきなどは全国の父親達が珍しく活躍する場だが、普段食品を扱わない人間だけに衛生概念は低い
杵つき時の手水などはなかなか交換されることも少ないようでこの段階が感染源となることもあるとみられている

過去の事例だが餡作りを数日前に行って園内で常温放置していたために餡が原因で集団食中毒が発生したこともあり、この時は300人以上が感染する大事件になったようである

餅つきは食品衛生法の営業許可は原則不要で、都道府県や政令指定都市、保健所を管轄する自治体が個別のルールを設けているという
このため多くの場所で餅つきイベントが開催されるのだが、衛生管理の概念のないスタッフによる運営では常に食中毒のリスクを抱えているということを知っておく必要があるだろう
業務的なイベントで行われる餅つきではほとんど食中毒の発生事例はないことから、基本的な対策を講じておけばそこまで危険なイベントではない

引用した記事にもあるように一律禁止にするというのはやりすぎなような気もするが、今後は規制されていない地域でもしっかりとした知識を持って餅つきイベントを開催していかなければならないだろう
これ以上食中毒が発生すれば本当に全国で規制ということにもなりかねないからである

(補足)
ノロウイルスの対策は
過熱(85℃以上90秒)
次亜塩素酸(ハイターなど、アルコール除菌は無効)
手洗いの徹底、マスク(保菌者の糞便、吐しゃ物から感染)
である

(補足2)
冷やしきゅうりのO-157や鳥の刺身のカンピロバクターなど他にもイベントで危険と思われる食材はたくさんあるが、こちらは食品衛生法の営業許可が必要なので少し事情が異なる点には注意である
許可が必要ない餅つきだからこそ、行政としては一律禁止にするしかないということになっているようだ


酸性アルコール使用のこの商品はノロウイルスやロタウイルスにも殺菌効果があるようである

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